写真は、中国の公園や広場で近年よく見られる「水地書法」です。筆自慢のおじさん、おじいさんたちが朝夕、公園に現れては自慢の腕を披露してくれます。水を含ませた筆を使っているので、乾くまでの命というまさに瞬間芸術ですね。四川省あたりで始まったこの動きは、その後中国各地に波及し、当初愛好家が手作りしていた筆もいまや専用のものがネット販売されるほど人気を博しています。どのおじさんも見入ってしまうほどに字が上手で、今度中国へ行くときは無地の掛け軸でも持参して漢詩でも書いてもらおうかなと思うほどです。さすがは漢字発祥の国ですね。
昔から中国の公園や広場では、大勢で太極拳をしている光景が有名ですが、昨年訪れた四川省の公園では、老若男女を問わずかなりの人数で様々なダンスや歌を楽しんだりしているのが印象的でした。四川省成都市の公園では、最近はライブ活動をしていても当局による取り締まりがないそうです。
中国と言えばとかく規制の厳しそうなイメージの国ですが、公園での芸術活動に関してはかなりおおらかなようです。それに引き換え、日本の公園は禁止事項ばかりですね。折角広い公園があるのなら、みんながみんな静かに散歩してお弁当を食べて帰るだけというのはちょっと勿体ない気もします。公園を維持していくにはかなりの税金を投入しているはず。ですから、これまでの使い方にどどまらず、住民がもっと幅広く楽しめるよう、例えば活動の種類ごとにゾーンや時間帯を決めるなどして、もっと利用規制を緩和してもいいように思います。
そして、人がもっと集まるようになって、公園内に飲食施設のオープンを許すなどすれば自治体としてはお金を使うだけの公園からお金を稼げる公園にもなり得るでしょう。さらには公園の周辺まで賑わうようになるかも知れません。自治体は住民ともよく話し合って、もっと公園活用の幅を広げてみては如何でしょうか。
写真出典:isky问答库