地域振興の道しるべ

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バタフライガーデンの観光における可能性

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 昨日は六甲摩耶山の天上寺へ渡り蝶アサギマダラのマーキングに行って参りました。マーキングとは油性ペンで羽の鱗粉のない部分に日付や場所を記入する調査活動です。この日はなんと夏に福島県でマークされたアサギマダラまで見つかりましたが、その後この蝶は四国や九州を経由して南西諸島方面を目指します。

 いま全国各地でアサギマダラの宿場町を作ろうとして、この蝶が大好きなフジバカマの花を植えるのがブームになっています。昨日天上寺では1,000頭を超えるアサギマダラが乱舞していましたが、アサギマダラを見に訪れていた人も100名を超える大盛況でした。しかし、このアサギマダラの御一行がフジバカマの蜜を求めて宿場町に滞在するのは、わずか一ヶ月程度の期間です。ですから、アサギマダラを求めて観光客が来てくれるのも花見や紅葉狩りと同じく限られた期間だと認識しておく必要があります。その上、自然のものですから、見られる数は年によってかなり変動があるのもやむを得ません。

 ただ、多くの蝶はアサギマダラのように渡りをするわけではありません。幼虫の餌となる特定の植物や蝶が蜜を吸えるお花を植えておくことで、年に3、4回羽化してくれる蝶の中から2種を紹介しておきましょう。一つはゆったりとした優雅な舞を見せてくれるジャコウアゲハ、もう一つは水平位置での羽の止めが美しいホシミスジです。この2種は飼いやすく、蝶になってもあまり遠くへ飛んでいかないのでバタフライガーデン向きです。

 ですから、バタフライガーデンを作るなら、上記のように複数種の蝶に対応できると、より長い期間お客さんに楽しんでもらうことができるでしょう。バタフライガーデンは決してそれだけで観光地が成り立つようなものではないので、いくつかある柱のうちの一つくらいと思って取り組まれるのが妥当かと思われます。

 この40年間では日本の里山の蝶はその多くが姿を消してしまいました。個人的には、これから生まれてくる子どもたちにも蝶の美しさを知ってもらえるよう、たとえ庭園であっても、蝶を見られる環境は残して欲しいと願っております。

 

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写真:天上寺のフジバカマに集まるアサギマダラの撮影・観察を行う観光客