地域振興の道しるべ

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お花畑を作る=観光地になる?

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 観光客を呼び込もうと全国で続々と誕生するお花畑。美しい花々を見ているとなんとなく優しい気持ちになれて心が癒やされます。

 ただ、いろんなお花畑を見ているとすごく人気のあるところから、あまり入園する人を見掛けないところまで様々です。この差は一体どこから来るのでしょうか。まず誰にでも思いつくのはその広さです。やはり規模の大きなところは有利です。でも、広大であってもまた来たいなと思わせるところもあれば、2回目はないなと思わせるところもあります。

 昔から有名な富良野など北海道にあるお花畑の写真を見ていて気づくのは、その土地の緩やかな起伏です。上の写真のように、富良野のお花畑では畝によってお花の色が区切られていて一見人工的と思わせる面もあるのですが、広大さと自然な起伏の織りなす流麗な曲線の持つ魅力が、人工的な側面をを打ち消して余りあるのだと思います。また起伏があると立ち位置によっては、お花畑が地平線の果てまで続いているかのような写真が撮れます。インスタグラムなどSNSにはもってこいですね。

 お花畑の候補地を探していて、まとまった休耕田があるからそこにしよう、という意見が出たとします。でも、水田と言えば完全な平面です。まさか、起伏を付けるために造成する費用までは出せないでしょう。水辺に咲くアヤメなどを除けば、お花畑には起伏のある土地を選ぶに限ります。私が以前、ゴルフ場跡地を庭園に転用しよう、と言った理由の一つはそこにあります。あとは遠くの山々や木立が借景として利用できれば言うことなしですね。

 さらに注意すべきことは、北海道のように広大かつ起伏のある土地でない限り、畝がはっきり分かるような植え方をしないことです。天然のお花畑に畝はありませんから、畝がはっきり見えると、どうしても人工的な雰囲気が出てしまいます。平坦な土地に畝ごとに色の違うお花が植えられていたら、ここは切り花栽培用の畑ですか、と言われかねません。もしも狭くて平らな土地しか手当できないときは、花の丈で起伏を付けるなどメリハリの付いた植え方を工夫することによって、ある程度魅力を引き出すことは可能です。そして、お花を植えるときの配色や色の配置に関しても、プロの判断を仰ぐなど計算された配色・配置にしておくことでお花畑の魅力は大きく変わります。

 なんと言っても人々を一番感動させてくれるのは、大自然のお花畑でしょう。人の手によるお花畑がどれだけ神のデザインに迫れるのか。できることなら神様未発表の佳作と称されるくらいにまで上り詰めたいところですね。

写真はふらの観光協会twitterより借用しました。