地域振興の道しるべ

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ストリートライブという文化を育てる

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 駅前の雑踏の中からふと聴こえてくるメロディに惹かれ、つい足を止めて聴き入ってしまう。よく街歩きをされる音楽好きな人なら、誰しも経験がおありでしょう。そうして見つかったミュージシャンが、その後メジャーデビューできたりしたらファンとしては嬉しいものです。

 そんな彼らの路上ライブですが、殆どは道路使用許可を取ることなく行われています。だから、警官が現れたら、はいそこで店じまい。そりゃ、許可取ろうとしても無理ですから、彼らとしては警官との間で毎晩のようにイタチごっこです。音楽に関心のない人からすればライブハウスかもっと広いところでやればいいと思われるでしょう。

 しかし、駆け出しのミュージシャンであれば、ある程度集客の見込みを示せないとライブハウスには出演させてもらえません。そして、多くの人に知ってもらって少しずつファンが増えていって初めてライブハウスへの出演交渉が可能となります。だったら、違法だとは分かっていても人が大勢集まるところで披露したくもなりますよね。

 路上ライブを行うミュージシャン達はポピュラー音楽界の巨大な裾野を成しています。彼らの存在がなかったならば、ポピュラー音楽の世界はもっと淋しく物足りないものとなっていたことでしょう。ですから、日本の音楽文化の興隆が望ましいことだと社会的な総意が得られるのなら、例えば駅前再開発のようなタイミングで、行政が音頭を取って、場合によっては音楽関連企業も協力しながら彼らが自由に活動できるような小ステージをいくつか造るようなことをしても良いと思うのです。

 そして、ミュージシャン達の意見にも聞く耳を持ち、そのような支援ができるような街であったなら、自ずと音楽文化も興隆していこうというものです。

「紅白に出てたあの歌手、去年はこのステージで毎月フリーライブしてたんだよ。」ってなるやも知れません。きっと、そんな歌手はメジャーになってからも、自分を育ててくれた街のイベントとあらば、手弁当ででも駆け参じてくれることでしょう。