テント生地は建築外装に使ってみると意外と面白い建材です。テントというと耐久性がないように思われがちですが、スタジアムの屋根などに使われる四フッ化エチレン樹脂をコーティングした膜は築40年を超えても膜の目立った劣化がでていないという実績があります。
また、テントは曲線のフォルムを作りやすく意匠性の高い建物を造るのに適しています。その上窓を造らなくても採光ができる屋根というのはテントならではのものでしょう。光が透けるが故に、上の写真のような照明を生かした商業建築も可能なわけです。
さらに建築時も解体時も工期が短くて済むというメリットまであります。特殊な形状をデザインしやすいので、道の駅など少々目立って欲しい建物にも向いているでしょう。スタジアム以外ではあまり目にすることのないテントを採用した建物ですが、今後はその良さがもっと見直されてもいいように思います。
次回は、腐らない木材であるケボニー材を取り上げる予定です。