地域振興の道しるべ

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長持ち、メンテナンスレスの時代へ(3)   外装に使える腐らない木材

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 従来規模の大きい建築物の外装に木材を使うことは現実的ではありませんでした。しかし、そんな木材に塗装することなく、30年間の高耐久保証を付けたのがノルウェイ発のケボニー材です。私がケボニー材のことを初めて知ったのはWedge2019年1月号の記事ですが、それによると日本で豊富かつ安価な杉もケボニー杉としての加工に向いているそうです。

 ケボニー化処理をされた木材は、広葉樹のように緻密になり、色が濃くなって高級感が出せるほか、雨に濡れても腐らないため、外壁だけでなく屋根やデッキにまで使えるようになります。やはり、自然の豊かな地方であれば、公共建築にも木のぬくもりを感じられる外観を演出したい場合がおありでしょう。そんなとき、材料代が少々嵩もうとも、ケボニー材の国産化が実現した暁には、ケボニー杉やケボニー桧を使うに限ります。

 ケボニー材は石油由来の材料を使っておらず、古くなると無垢材同様にシルバーグレーに変わってゆき、廃棄時の環境負荷においても問題ないと言います。もしも、杉や桧が資源として豊富にある地方で、ケボニー化の国内工場がそう遠くない地域にできたなら、原料となる木材をメーカーへ支給してその分安く加工してもらうことを交渉されても良いのではないかと思います。

 また、木造の重要文化財が天災や火災などで消失してしまい、再建が決まったときにも外壁にはケボニー材を使っておくことで、将来のメンテナンスコストを大きく削減することができるでしょう。将来、街のモニュメントとなるような建物を木の外観で造りたいという構想をお持ちの場合は、ケボニー材の存在を覚えておいてください。

 少し付加価値のある外装建材を使って、将来のメンテナンスコストを下げるという提案はこれで終わりにしたいと思います。

写真:Øvre Forsland power station (ノルウェイ

出典:Helgetur