地域振興の道しるべ

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蝶の群れ?いえイチョウです

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 あたかもたくさんの蝶が群れているかのようですが、これ紅葉の始まったイチョウです。まるで蝶の魂がイチョウの木に乗り移ったかのようですね。この写真ですが、もう一つおやっと思われたことはございませんか。

 よく見ると、紅葉しているとは言っても先端がまだ緑色をしている葉があります。そうなんです。ここのイチョウは葉の中ほどから紅葉が始まり、次に付け根、そして最後に先端が紅葉するんです。紅葉する順としては水や養分が巡りにくい先端部分からだとしたら納得できます。人間だって、血の巡りが悪い指先から霜焼けしますからね。しかし、ここのは逆。私の住む街中でもこのようなイチョウの紅葉を見掛けたことはありません。この逆パターンの紅葉、とても美しいと思うのですが、ほかに足を止めて眺めている人は見掛けませんでした。

 どんなことに関心が向くのかは人それぞれです。要は自分が関心のあることで、こう言った気づきが日々あるかどうか。また、関心の幅を少しずつでも拡げていけるかどうか。そこがビジネスを考える上でも役に立つと思うのです。

 そして、おやっと思ったら、なぜなんだろうと考えを巡らせてみること、そして分からなければ自分で調べてみること。そこまでできたら、ただ単に綺麗だったね、で終わることなく、自分の知見も広まり、時には別の知見と結びついて新たに何かが生み出せるのかも知れません。

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【この現象の仮説】

 なぜ上記のような紅葉が起きるのか、私なりに仮説を立ててみました。

紅葉は木が葉に栄養分等を送るのをやめようとして、葉の付け根に離層という蓋をすることによって始まると言われています。イチョウのように黄葉する木は、この離層ができる前に、葉に含まれる糖分等を木に戻そうとするそうです(参考サイト)。イチョウの葉は他の樹木とは異なる叉状脈という木が枝分かれしたような葉脈を形成しています。

 そして、ここからが仮説になるわけですが、恐らくイチョウの葉が糖分を木に戻すとき、葉の先端部分の糖分回収が葉脈の合流による渋滞を起こすようなイメージで他の部分より遅くなり、先端の糖分を木に戻しきらないうちに離層という蓋が葉の付け根にできてしまうのではないかと予想しております。

 よって、糖分のなくなった葉の中ほどは栄養不足となり黄葉するのですが、先端にはまだ糖分が充分にあるため、黄葉が遅れるのではないかということです。

 でも、なぜ地域によってこの現象が出るのかという疑問が残ります。これに関してですが、私が住んでいるのは平野部で葉の先端から黄葉するパターンしか見られませんが、この逆パターンの黄葉を見つけたのは山間部でした。ということは、夜間と日中の寒暖差の大きい地域では、葉の糖分が木に戻りきらないうちに離層ができてしまい、そうでない地域ではゆっくりと寒くなるため、葉の養分を戻しきってから離層ができるとしたら説明が付きそうです。植物学を専攻されている方なら、面白い研究テーマになりそうですね。

 

【2020/11/5追記】

 その後、葉の先端からではなく、葉の中ほどから紅葉するイチョウの葉が平地でも見つかりました。一つは横浜市の港近く、そして私の住む街でも。ただし、最初に見つけた兵庫県朝来市のように殆どの木がそうなるわけではなく、一部の木の一部の葉だけでしたが、これで昼夜の寒暖差がこの現象の原因であるという仮説は崩れました。急激な冷え込みが関係しているのかも知れません。自然界の謎解きはそう簡単ではなさそうです。