地域振興の道しるべ

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どうする?超美味しくても売れないレモンカード

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 日本でも数年前から国産品が出回り始めたイギリス生まれのレモンカード。一言で説明すると、レモン風味濃厚なカスタードと言ったところでしょうか。一度食べたら嵌ってしまう人が多いのですが、日本人の中でこれを知っている人はまだ少数派でしょう。なぜか。まず、日本人には意味不明なこの名前。聞いただけでは食べ物かどうかすら分かりません。それを危惧したのか、上の写真の商品はレモンバターと命名されています。

 でも、この商品を見て購入されるのはレモンカードの味を知っている人にほぼ限られるでしょう。だったらどうすればこのレモンカードはメジャーになれるのか。そりゃ、人気の芸能人がテレビ番組で絶賛してくれるのが手っ取り早いのでしょうが、作り手の多くは知り合いの芸能人なんていません。

 ということで、私が一度試していただきたいと思うのはB級グルメのような街ぐるみでの売出しです。レモンの産地に近い観光地であれば、地域メニューとして多くのカフェやパンケーキ屋でレモンカードを使ったメニューを扱ってもらうよう働きかけてPRすれば、インスタ等で徐々に認知度が高まり、その後お土産として瓶詰めを求める人も増えると思うのです。うまくいけばそれを食べるためにその観光地に立ち寄る人が出てくるかも知れません。

 このレモンカードですが、酸っぱい果物であれば結構代用が利きます。パッションフルーツを使ったものがハワイ名物のリリコイバターです。なんでも試してみるのが好きな私は、すだち、ゆず、シークヮサー、夏みかんなどでも作ってみました。

 その結果、すだちはレモンに近いニュートラルなお味、夏みかんは酸味が弱いのでレモンも加えましたが優しい酸っぱさになりました。ゆずやシークヮーサーは少し癖がでるかな、と言った感じです。

 ですから、柑橘それぞれの産地ごとにすだちカードやかぼすカードがあってもいいと思うのです。売出しのタイミングとしては、もしもどこかでレモンカードがヒットしたら、その直後がベストですね。別の例を挙げれば、貴方の住む街がゆずの産地だとした場合、塩レモンがブレイクしたときに、塩ゆずはどうなのかと気づいてすぐ試してみようとしていたら、塩レモンブームが冷めやらぬうちに新商品を販売できたことでしょう。そのようなタイミングであれば、お客さんは塩ゆずの味の想像がつきやすく、さらにゆずのいい香りのイメージががプラスされるので、塩レモンの出始めに比べればかなり売りやすいはずです。

 新しい食品を売り出す場合、お客さんがその味をイメージできるかできないかによって、販売戦略を使い分けることが必要と言えましょう。