地域振興の道しるべ

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入院の決め手 美味しい病院食

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 「それでは入院治療が必要となりますので、○○病院宛の紹介状を書いておきますね。」医師からそう告げられたとき母の表情が一瞬曇りました。理由を聞いてみると、「あそこの病院ご飯が美味しくないからなぁ。」「では、△△病院でも紹介できますが・・・」

 人間歳をとると行動半径も狭くなり、一日の楽しみは三度の食事くらいというのはよくある話。そんなご老人が唯一の楽しみを奪われてしまったとしたら、治る病気も治らなくなるのはあり得ることです。また栄養価を綿密に計算された病院食であっても、食べ残しが増えてしまっては意味がありません。さらに患者さんが隠し持っていた醤油をたくさん掛けてしまうようでは困りものです。

 ならば、完食してもらえる病院食を作ることは医療面から考えても重要と言えるでしょう。

 一般的に病院食は塩分控えめなので美味しさが落ちてしまうのは仕方がないと思われがちです。しかし、食事が美味しいと言われる病院も現実には存在します。病院食をもっと美味しく、また見た目にも美味しくなるよう彩りや器にも工夫を凝らしていく。それは完食率アップで医療効果を上げるとともに、選ばれる病院作りという点においても見逃がせない視点ではないでしょうか。

 せっかく素晴らしい医療技術があるにも関わらず、食事を理由に患者さんがわざわざ遠くの病院を選ばれたとしたら、選ばれなかった病院としてはとても残念なことですし、日々お見舞いに遠くまで通われるご家族も大変です。地域にとって入院のできる病院の存在は欠かせません。病院食の外部委託化が進行する時代においてこそ、美味しい病院食を提供できることは想像以上に病院の大きな魅力となり得るかも知れません。美味しい病院食で患者さんをより笑顔に、そして元気に! 院長さん、よろしくお願いします。

 写真出典:Wikipedia