地域振興の道しるべ

地域振興の具体的なアイデアを公開するブログ

失敗する地域振興

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 「失敗の本質」ビジネス畑の人には言わずと知れた超ロングセラー本です。私が求めたのは30年くらい前ですが、その後世の中が怪しくなるたびにクローズアップされてるような気がします。そして今も。確か本書では日本軍の組織運営の稚拙さを数々の局地戦の敗戦から浮き彫りにしていたわけですが、いまの政治や大企業の状況を見る限り、日本における組織運営に進歩は見出だせません。

 なぜ官主導の地域振興策はかくもうまく行かないのか。そこには縦割り組織での対応という問題もありますが、それに加えてそもそもの問題点把握が正しくできていないという点も見逃せないと私は考えています。

 行政に地域振興のための組織が作られた場合、衰退している地域のために何を始めたら地域が振興するかということを出発点として考えがちです。だから、振興のための事業計画を募って、パスしたプロジェクトにお金をバラ撒くだけに終わってしまいます。しかし、こんなことでは対症療法をやっているのと同じで、地域が活性化に向けて大きく流れを変えていくことは難しいでしょう。

 官主導で本当に地域振興を考えるなら、地域振興という概念からスタートするのではなく、地域が衰退した原因や地域がどうあるべきかを地域レベルだけではなく、国家レベル、地球レベルであぶり出し、大元まで掘り下げた問題点を明らかにしなければ、大きな効果は望めません。

 そうして出てきた問題点は、ひょっとしたら地方創生相の権限では及ばず厚生労働大臣外務大臣まで巻き込まないと対応できないことだってあり得るのです。こんなとき、厚生労働大臣に頼んでおきました、では何も進みません。

 これまで失敗に終わった振興策の多くは、実行する意味すら怪しい茶番だったのではないでしょうか。よくよく考えてみたら官主導で地域振興をしようとすること自体が間違いであったという結論が仮に出たとしても、そこに目を伏せてはいけないと思うのです。

 地域振興は、何もその地域で新しい事業が始まって、その事業だけがうまくいったところで実現できるものではありません。地域に住まう一人ひとりが、元気に活動している状態が達成できて始めて地域が活性化したと言えるでしょう。

 冒頭にも記したように日本人は組織の中からはなかなか正しい方向性を見出だせないという長い実績があるのです。だから、私がこのブログで公開している些細なアイデアも、もし活かていただけるとしたら、最初から大風呂敷を広げるのではなく、あくまでもスモールスタートで行い、実績を積み上げて行って欲しいのです。決して、自治体からの予算取りのアイデアとして書いている訳ではありません。ついでだから、もっと話を膨らませてみましょう。

 近年憲法改正論が話題に上りますが、憲法からスタートしているようでは駄目だと思うのです。憲法よりも上位の概念として、国家理念を制定する必要があると私は考えています。日本はどのような国家を目指すのか。国際社会の中で日本はどのような役割を果たすのか。そこをはっきりさせた上で憲法議論や法律改正をしないから日本はうまく立ち行かない。国家理念なくしてまともな外交などできるはずもない!そうは思われませんか。

 企業にだって企業理念があるではないですか。なのに、なぜ国家に理念が制定されていないのか。ただ、原案作成は庶民感覚からずれている官僚任せにはしないで欲しいと思います。

 国よ、理念を持て。それも国民の多くが誇りを持てるような。そうすれば地方のあり方や行政が何をなすべきかも自ずと見えてくるはずです。最後は大風呂敷になってしまいました。